最強のボールペン(その後)

2012/09/17

 以前、最強のボールペンを探し、PILOTのタイムラインというボールペンに出会った。買った当時、あまりの書きやすさに感動してこの記事を書いたのだけど、一年半経ってもその感動がまったく薄れない。買った瞬間の満足度が一番高い製品の情報よりも、長く使うほど満足度が増していく製品についての情報の方が重要ではないか。そう考えた。だからまた記事を書くことにした。

 このボールペンに出会うまでの僕は、ボールペンのことばかり考えて毎日を過ごしていた。寝言で何度も「最強のボールペンはどこにあるんだ」と口走っていた。その声に驚いて「どうしたの」と僕の肩を揺さぶり起こしてくれた女性の顔もボールペンだった。ボールペンの名前の由来でもある、先端に嵌っている小さな玉の隙間に下半身を巻き込まれていく悪夢にも定期的にうなされた。しかしこのペンを買って以来、僕はボールペンについて悩まされることはなくなった。まるで108あると言われている煩悩の一つが消えてなくなったようだ。もう僕はボールペンのことについて、この先悩まなくてよいのだ。

 相変わらず書きやすさはばつぐんだ。これまでに書き始めがかすれたことは一度もない。このボールペンで字を書くと、なぜかものすごく自分の字がうまくなったように見える。殴り書きのメモがいかにもメモっぽいメモになるのだ。偉大な発明家のノートがいかにもメモっぽい雰囲気なのはペンが違ったのか、と僕は納得した。

 で、最近はノートも決定した。ツバメノート。 (1 )

 それまではLifeのノートロディアのメモ帳を併用していた。でも僕が使っていたLifeのノートは書き味はいいのだが分厚く、開いたときに中央に山ができてしまうのが難点だった。そうするとどうしてもそこの部分を書くときにストレスが溜まってしまう。やはりペッタリと開ききれるノートがいい。その点、ツバメノートは枚数が細かく選択できる。薄いノートを使うと、ペッタリと紙を開ききって中央にも山ができない。それに、薄いノートだとすぐに使いきれるので、まるで自分が次から次へとノートを使い切る勤勉な人間になったような気持ちになれる。

 なによりもこのいかにもノート然とした佇まいがいい。きっと火星人が見ても「これはノートだ」と認識できるだろう。108の煩悩がまた一つ減った。あと106だ。

  1. 老舗のノートメーカー。webサイトがかわいい http://www.tsubamenote.co.jp/ []