パシフィック・リムを見た

 「風立ちぬ」を見に映画館へ行ったのだけど、いつのまにかパシフィック・リムを見ていた。見終わったら「風立ちぬ」を見ようと考えながらパシフィック・リムを見た。おもしろかった。巨大ロボットと巨大怪獣が戦っていた。映画の中で怪獣は Kaiju! と呼ばれていた。

 見ているうちに、パイロットが搭乗しているロボットのコックピットが敵の巨大怪獣(ないしはロボット)から物理的な干渉を受けるシーンを自分がとても愛好しているということに気がついた。パシフィック・リムにはいくつかそういうシーンがあった。エヴァンゲリオンで言うと初号機が参号機のエントリープラグを握りつぶすシーンだ。ゼータ・ガンダムで言うとウェイブライダーの先端がシロッコに突き刺さるところだ。ああいうシーンがあると異なる二つのスケールがちゃんと体感的につながる。

 見終わって映画館を出たらどこかでクリスタル・キングの「愛をとりもどせ」の歌詞が流れていた。誰かの携帯の着メロかなにかのようだった。北斗の拳の主題歌だ。「愛をとりもどせ」は何度聞いても「愛で・空が・おちて・くー・るー」の「おちて・くー・るー」のところの歌い方が、信じられない。たとえ1万回生きたとしても「落ちてくる」という言葉をこんな音程で「おちて・くー・るー」と歌おうだなんて自分には到底思いつけないと思う。「You は shock!」なんて歌詞も思いつける気がしない。

 「風立ちぬ」は見ずにかえった。