「ほんのまくら」フェアに行ってきた #hon_makura

 
 紀伊国屋新宿店の「ほんのまくら」フェアに行ってきた。

【新宿本店】 「ほんのまくら」フェアのお知らせ #hon_makura
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Shinjuku-Main-Store/20120725000000.html



 

 書き出しの文章だけしか見えない形で小説が包装されていて、タイトルや著者名がわからない。その書き出しの文章だけを読んで本を選ぶという、たいそう画期的なイベントだった。コーナーのすべての本はこのような専用のカバーで覆ってあって、中身は一切見ることができない。知っている本も知らない本もあった。

 リアル店舗ってやっぱり素敵だ、みたいなことをぼんやりと考えながら向かったのだけど、よく考えたらこの企画自体はwebの方が全然向いているような気がした。テキストデータで冒頭の文だけを並べたページを用意すればいい。カバーを刷る必要も、売り場を設ける必要もない。でもなぜかそれだとあんまり面白くないような気もした。

 催事スペースという限定された空間で陳列するという事情もあるのだろうけど、この企画で取り扱う本は100冊に限定されていた。100冊と言われると、店員さんがそれらを選出したなんらかの基準が後ろにあるような気になる。題名も著者もわからないので、実際にどういった基準があったのかはもちろんわからない。人気があるイベントとなったらしく、100冊すべては置いてなくて売り切れの本も多いようだった。そのかわり、100冊分の書き出しとそれに対する簡単なコメントを一枚にまとめたコピー用紙が無料で配られていた。帰りの電車でそれを読みながら帰った。このフリーペーパーもwebでは配布されていないので、現地にいかないと手に入らない。

 ちなみに僕はこの画像のカバーの本を買った。この文面を読み、これは晩年のブルース・リーが截拳道のすべてを書き記した直筆の秘伝書ではないかと推測した。しかしレジで会計を済ませたあとによく考えてみると、ブルース・リー本人が「ブルース・リーが」なんていう書き方をするわけがないし、そもそもブルース・リーには晩年と呼べそうな時期がなかった。暑さが人の思考能力を著しく低下させることを再認識させてくれるフェアだった。